サービス内容


居宅介護支援事業

●介護支援専門員(ケアマネジャー)とは

 介護支援専門員(ケアマネジャー)とは、介護サービス計画(ケアプラン)の作成、居宅サービス事業者や介護保険施設等との連絡調整を行うなど、介護サービスが適切に利用されるために不可欠な専門職です。指定居宅介護支援事業者といわれるケアプラン作成事業者や特別養護老人ホーム等の介護保険施設等では、介護支援専門員を必ず置かなければならないとされています。

●ケアプランとは

 ケアプランとは「介護サービス計画」ともいわれ、自宅で在宅サービスを利用する場合も施設に入所する場合も、「いつ」「どこで」「どのようなサービスを」「なんのために」「だれが」「どの程度」「いつまで行うのか」というようなことが記載されたこの計画に基づいて、具体的なサービスが提供されます。

●ご利用者の心身の状態を分析し、必要なサービスを特定

 ケアプランを作成するのはケアマネジャーの業務ですが、その内容についてはご利用者又はそのご家族から了解を得なければならないとされており、ケアマネジャーが勝手に作ってはならないものです。ケアマネジャーは、いきなりケアプランを作成するのではなく、ご利用者の心身の状態等を分析し、必要なサービスを特定していきます。この過程を課題分析(アセスメント)といいます。課題分析の際に、どのようなことに困っているのか、どのような生活をめざしたいのかをしっかりケアマネジャーに伝えることが重要です。サービスを利用していく経過で、心身の状態が変化したり、思ったようなサービスではない場合には、いつでもケアプランの見直しはできるので、ケアマネジャーに相談して下さい。


通所介護(デイサービス)

●通所介護(デイサービス)とは

 通所介護(デイサービス)とは、要介護状態となった場合においても、ご利用者が可能な限りご利用者の居宅において、持っている能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう生活機能の維持又は向上を目指し、必要な日常生活上の世話及び機能訓練を行うことにより、ご利用者の社会的孤立感の解消及び心身の機能の維持並びにご利用者のご家族の身体的及び精神的負担の軽減を図る目的で提供されるサービスのことです。

●通所介護(デイサービス)のサービス内容

 通所介護(デイサービス)のサービスの内容は、要介護状態にある高齢者がデイサービスセンター等へ通い、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練を日帰りで行います。基本的には自宅から施設まで送迎も行います。ご利用者が楽しく通えるように、書道、陶芸、生け花、リズム体操など様々なプログラムが用意されています。デイサービスは外出したり、人と触れ合ったりできるため、閉じこもりや孤立を防ぐことにつながります。また、介護するご家族の方にとっても、デイサービスを利用している間は介護から解放されますので、気分転換になります。
※2016年4月より、通所介護事業所のうち利用定員が18人以下の事業所では、「地域密着型通所介護」のサービスが提供されています。管轄は市区町村となります。

●通所介護(デイサービス)を利用することの利点

 高齢になると、社会的な役割が薄くなるにつれて、自宅へ引きこもることが多くなります。刺激の少ない生活を送ることは、認知症を引き起こす要因にもなります。また筋力も弱まることから、寝たきりとなる可能性も高くなります。こうしたことを予防するためには、少しでも外へ出かけて人とふれあい、少しずつ体を動かすことが必要です。さらに、日中に要介護者が外出することになると、ご家族などの介護者の介護負担の軽減にもつながります。介護者が自分の時間を過ごし、リフレッシュする時間をもつことは、介護を長続きさせるためにもとても重要なことです。


地域密着型通所介護(デイサービス)

●地域密着型通所介護とは

 地域密着型通所介護とは、要介護状態となった場合においても、そのご利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう生活機能の維持又は向上を目指し、必要な日常生活上の世話及び機能訓練を行うことにより、ご利用者の社会的孤立感の解消及び心身の機能の維持並びにご利用者のご家族の身体的及び精神的な介護負担の軽減を図ることを目的に提供されるサービスです。このサービスは2016年4月1日より導入されたサービス区分です。
 利用できるのは要介護1以上の認定を受けた方のみとなっており、要支援の方は利用することができません。利用定員19人未満のデイサービスセンターなどの地域密着型通所介護の施設にご利用者が通ってサービスを受けます。 これまで単一の通所介護だった枠が、通所介護と地域密着型通所介護に二分されたもので、定員数、地域、費用が異なります。
 それまでの通所介護では、19人以上が利用定員となっていましたが、利用定員が19人未満となったことで、より手厚いサービスを受けられるようになりました。また、通所介護には利用する地域において制限がないものの、地域密着型通所介護は原則として自分が居住している市町村の住民でないと通うことができません。

●地域密着型通所介護で受けられるサービスとは

 地域密着型通所介護で受けられるサービスは、食事や入浴、排泄などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどのリハビリテーションがあり、これらを日帰りで受けることができます。施設の多くで看護師が常駐していることが多いため、健康管理や服薬のサポートなどにも対応可能となっている施設が多いです。 また、施設で行われているレクリエーション活動などに参加することも可能です。多くの施設ではご利用者の自宅から施設までの送迎も行います。


総合事業通所介護(介護予防・日常生活支援総合事業)

●通所型サービス(第1号通所事業)とは

 通所型サービスとは、介護保険によるサービスを利用しようとする対象者が、自らが普段生活している場所とは違うところを訪れ、何らかのサービスを受ける形態のことを総称して「通所型サービス」と呼びます。
 通所型サービスに対し、介護保険によるサービスを利用しようとする対象者の元を、看護師や介護士などが訪れ、何らかのサービスを提供する形態のことを総称して「訪問型サービス」と呼びます。
 現在の通所型サービスについては、サービス内容や想定される状態の違い等に対応して、生活機能向上のための機能訓練を行います。
 対象者として、要支援認定を受けた方、又は基本チェックリスト該当者となります。既にサービスを利用しており、サービスの利用の継続が必要なケース、多様なサービスの利用が難しいケース、集中的に生活機能の向上のトレーニングを行うことで改善・維持が見込まれるケースに適応されます。
 通所型サービスは、現行の介護予防通所介護に相当するもの(通所介護事業者の従事者によるサービス)と、それ以外の多様なサービスからなり、多様なサービスは、通所型サービスA(緩和した基準によるサービス)、通所型サービスB(住民主体による支援)、通所型サービスC(短期集中予防サービス)の3つに分類されます。

●介護保険が使える介護予防の通所系サービスの種類

 介護保険制度において、要支援者を対象とした介護予防の通所系サービスには、「介護予防通所介護(デイサービス)」「介護予防通所リハビリテーション(デイケア)」があります。介護予防訪問介護と介護予防通所介護(デイサービス)は、2015年4月より介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)に移行され、2017年度までにすべての市町村にて実施することとされました。総合事業では介護予防通所介護(デイサービス)に加え、多様なサービスを行います。

●総合事業の通所型サービスとは

 総合事業の通所型サービスは、介護予防を目的とし、デイサービスセンター等の施設で、入浴、排泄、食事等の介護、日常生活上の支援や機能訓練、レクリエーション等を日帰りで利用できるサービスです。介護予防を目的としたものであり、通所介護とは異なり、ご利用者のご家族の身体的及び精神的負担を軽減する「レスパイトケア※1」は想定されていません。
※1:レスパイトケアとは、在宅介護の要介護状態の方(ご利用者)が、福祉サービスなどを利用している間、介護にあたるご家族が一時的に介護から解放されるよう、代理の機関や公的サービスなどが一時的に高齢者の介護をおこない、ご家族に休息を取ってもらうようにするための措置のことです。


認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

●認知症対応型共同生活介護(グループホーム)とは

 認知症対応型共同生活介護とは、グループホームと呼ばれる地域密着型サービス事業の一つです。認知症対応型共同生活介護(グループホーム)とは、認知症のある要介護者が共同生活住居において、家庭的な環境と地域住民との交流のもとで、介護スタッフによる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うことにより、ご利用者がもっている能力に応じて自立した日常生活を営むことができるようにする目的で提供されるサービスです。
 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は認知症の人だけのケア付き住宅です。1つの共同生活住居に5人~9人の少人数のご利用者が、介護スタッフとともに共同生活を送ります。24時間の専門的援助体制のもと、料理や買い物などの家事に参加します。形態としては民家型、アパート型、ミニ施設型など、さまざまです。施設によっては、1ユニット9名以下ですが、2ユニット以上のところもあります。
 ご利用者は、原則として、施設の所在地の市町村に住んでいる認知症要介護高齢者です。要支援1の人は利用できません。 また、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)を利用している間は、居宅療養管理指導を除く、介護保険の他の居宅サービスを利用することはできません。

●認知症対応型共同生活介護(グループホーム)を利用することの利点

 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)を利用することの利点は、少人数の中で「なじみの関係」をつくり上げることによって、生活上のつまずきや行動障害を軽減し、心身の状態を穏やかに保つことができることです。また、過去に体験したことがある役割、たとえば食事の支度、掃除、洗濯等をスタッフの手を借りながら各自ができる部分を行います。家庭的でゆったりと安定した環境の中で、高齢者の失われかけた能力を再び引き出し、潜在的な力をのばすように働きかけていくことを目標としています。
 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は、小規模なため馴染みの環境を作りやすく、認知症の方でも安心して暮らせるようになることが多いとされ、急速に施設の数が増えています。家庭的で落ち着いた雰囲気の中で生活を送ることにより、認知症の症状の改善や進行の防止を図ります。


小規模多機能型居宅介護

●在宅生活を支援する小規模多機能型居宅介護とは

 小規模多機能型居宅介護とは、中重度の要介護者となっても、在宅での生活が継続できるように支援する、小規模な居住系サービスの施設です。デイサービスを中心に訪問介護やショートステイを組み合わせ、在宅での生活の支援や、機能訓練を行うサービスです。
 2006年4月の介護保険制度改正により、今後増加が見込まれる認知症高齢者や中重度者ができる限り住み慣れた地域での生活が継続できるように、新たなサービス体系として地域密着型サービスが創設されました。

●小規模多機能型居宅介護の利点

 小規模多機能型居宅介護は、1つの事業者と契約するだけで、「通い(デイサービス)」を中心として、要介護者の様態や希望に応じて、随時「訪問(訪問介護)」や「泊まり(ショートステイ)」のサービスを、組み合わせて利用できます。中重度となっても在宅での生活が継続できるように支援するものです(図1)。

図1:小規模多機能型居宅介護の概要を示す図。通いを中心とし、様態や希望により訪問や泊りも併せてサービスを提供することを表す。
図1:小規模多機能型居宅介護のイメージ1)

 小規模多機能型居宅介護のサービスが創設される前では、「通い」「訪問」「泊まり」などの介護サービスをそれぞれ別の施設で受けていました。そのため、それぞれの場面でご利用者に対応するスタッフが異なり、馴染みの関係やケアの連続性が保たれないなどの問題がありました。
 特に認知症高齢者の場合、記憶や認知機能の障害のために、自分のいる場所がわからなくなったり、周囲の環境の変化に対応ができなくなったりなど、不安や混乱を招き、症状の悪化を引き起こす場合もありました。
 小規模多機能型居宅介護を提供する施設は、地域に根ざした小規模の施設であるため、「通い」「訪問」「泊まり」等のサービスを、同じスタッフが提供しますので、連続性のあるケア、安心感が得られます。

●小規模多機能型居宅介護の1日当たりの利用者

 小規模多機能型居宅介護のサービスを提供する事業所でのご利用者の登録数は、29人以下で、1日当たりの「通い」の利用者は概ね15人以下、「泊まり」の利用者は概ね9人以下となっています。ただし、登録定員が26名以上29名以下で、居間および食堂の面積が定められている広さを確保してある場合には、通いサービスに係る利用定員を18人以下とすることができます。このサービスを利用しながら、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、福祉用具貸与などを利用できます。
 2015年4月より事業者と同一建物に居住する者は、同一建物居住者以外の居住する者に比べて自己負担額が安くなります。